犬の皮膚病である「アトピー性皮膚炎」という病気は、3歳以下で発症し、強い痒みを特徴とします。先ずは当サイト"犬の皮膚病について"で症状や治療法・予防法等をお調べ頂き、かかりつけの動物病院にご相談下さい。


アトピー性皮膚炎

【原因】
皮膚バリア機能の低下により、ハウスダストマイト(家のほこりの中のダニ)が体の中に入り込むことにより、異常な免疫反応を起こし、それが痒みとなります。

【症状】
3歳以下で発症し、強い痒みを特徴とします。後発部位は目や口の周り、指の間、お腹などです。時に、外耳炎だけが症状という場合もあります。マラセチア(真菌の一種)や細菌の二次感染により、さらに痒みが激しくなります。慢性化すると、皮膚は色素沈着(黒い色が付いてしまう)や、苔癬化(しわ状になってしまう)が認められます。検査として特異的IgE抗体を測定し診断に役立てますが、この抗体価が高いからといっても必ずしもアトピーの診断にはなりません。

アトピー治療前

アトピー治療前

アトピー治療後

アトピー治療後

【治療】
アトピー性皮膚炎の治療法には様々なものがあり、どの方法が一番よいというわけではありません。動物の治療に対する反応や、オーナーさんの生活スタイルをお聞きし、治療方針を決定します。

  1. 副腎皮質ホルモン(ステロイド)
    約90%の有効性があります。速効性もあり、アトピー性皮膚炎の第一選択薬として使われます。副作用として多飲多尿、食欲増進などがあります。お薬に詳しい皆さんならご存じですが、痒みを抑えたいばかりにこのお薬を長期に飲ませると、ホルモンのバランスを崩すことによって、皮膚が菲薄化(薄くなる)腹囲膨満(脂肪がお腹だけについてくる)筋肉量の低下、などの副作用が認められます。このお薬を長期で服用する場合は、必ず定期的な血液検査などで、副作用が出てこないかモニターすることが大切です。また、このお薬は以下の治療法と組み合わせて使うことができます。
  2. インターフェロン(インタードッグ)
    約70%の有効性があります。インターフェロンの注射により、免疫のバランスを整え、体質を改善します。副作用はありませんが、比較的高価になります。
  3. シクロスポリン(アトピカ)
    免疫抑制剤であるこのお薬が、痒みを抑えます。ステロイドとは違い、速効性がなく、治療の効果を判定するのに約1カ月かかります。副作用としては投与初期の胃腸障害、歯肉の増生、多毛症(たくさん毛が生えてくること)などが報告されています。
  4. 減感作療法
    痒みの原因となっている抗原を注射することによって犬の体に抵抗力をつけてやる治療法です。治療の効果を判定するのに1カ月~3カ月の治療期間がかかります。欠点として抗原が海外のものなので簡単に手に入らないこと、治療を判定するのに長期間かかることが挙げられます。
  5. 抗ヒスタミン
    季節的なアトピー性皮膚炎では症状が出る前に投与する方法がとられています。一般的にこのお薬だけでアトピー性皮膚炎のコントロールはできません。
  6. その他
    必須脂肪酸配合のフードやサプリメントはある程度有効です。普段の管理として、保湿系のシャンプーを使用し、皮膚のコンディションを整えることも重要です。

アトピー性皮膚炎は決して、完治するものではありません。そのため、その痒みとどううまく付き合っていくかがテーマとなります。また、病院で処方されるお薬だけでなく、家で環境を整えてあげたり、シャンプーなどのスキンケアを行ったりすることにより、痒みを抑えてあげることもできるのです。

この病気を治療するには、飼い主さんと獣医師との信頼関係が必須となるのです。